止まっていたゴルフボールが動いたときは、まず何が球を動かしたのかを判断します。プレーヤー自身が原因なのか、風や水などの自然の力なのか、外的影響なのかによって、罰の有無や球を戻すかどうかが変わります。「動いた=必ず1罰打」「風で動いた=必ずそのまま」と単純に覚えず、原因と場所、直前の処置を確認することが重要です。
ボールが動いたときは原因を確認する
規則9では、止まっているインプレーの球が動いた場合、原因によって次の処置を決めます。
本当に球が動いたかを判断する
球が動いたとみなすのは、動いたことが分かっている、または事実上確実な場合です。「動いたかもしれない」だけで確かでなければ、動いていないものとして扱います。
【確認する順番】
- 球が実際に動いたか
- 何が原因か
- 球がどこにあったか
- 直前に拾い上げ・リプレース等をしたか
原因が処置を左右するため、周囲の状況を確認します。
自然の力で動いた場合
風や水など自然の力で止まっていた球が動いた場合、原則として罰はなく、新しい箇所からプレーします。ただし例外があります。
特にパッティンググリーン上で一度リプレースした球などは扱いが異なります。
自分が動かした場合
プレーヤーまたはキャディーが止まっている自分の球を拾い上げたり、動かす原因となったことが分かっている、または事実上確実な場合は規則9.4を確認します。
【自己判断で触れないための注意】
- アドレス中に球へ触れない
- 球の周囲で慎重に行動する
- 拾い上げ可能な規則を確認する
- 動いたらストローク前に処置を確認する
例外的に罰がない場面もあるため、状況ごとに判断します。
外的影響で動いた場合
人や動物など外的影響が球を動かした場合には規則9.6などが関係し、元の箇所へリプレースするのが基本となるケースがあります。
自分でボールを動かした場合の基本ルール
自分の行動が球を動かす原因になった場合、通常は球を元の箇所へリプレースし、罰が関係します。ただし規則には複数の例外があります。
原則は元の箇所へリプレースする
プレーヤーが止まっている自分の球を拾い上げたり動かした場合、規則上の例外を除いて元の箇所へリプレースします。元の箇所が分からなければ推定します。
- 球が動いた原因を確認
- 元の箇所を確認または推定
- 必要なら球をリプレース
- 罰の有無を該当規則で確認
戻さずにプレーすると誤所からのプレーにつながる可能性があります。
通常は1罰打が関係する
規則9.4bでは、プレーヤーが故意に球へ触れたり、球を動かす原因となった場合、原則として1罰打となります。ただし、規則で認められた拾い上げや偶然の特定ケースなど罰の例外があります。
「自分が動かしたら常に罰」と断定せず例外を確認します。
グリーン上で偶然動かした場合は罰なし
パッティンググリーン上でプレーヤーが自分の球やボールマーカーを偶然動かした場合は罰がなく、球を元の箇所へリプレースします。
- グリーン上でボールマーカーを置く際に誤って球を動かした:罰なしで元の箇所へリプレース
故意に規則外で動かす場合とは異なります。
規則で認められて拾う場合は別
グリーン上でマークして拾う、救済を受けるために拾うなど、規則が認める処置を正しく行った場合、それ自体を「自分で球を動かした罰」とはしません。
風や水など自然にボールが動いた場合
自然の力で動いた球は原則として新しい箇所からプレーしますが、重要な例外があります。
原則は罰なしで新しい場所からプレーする
風や水など自然の力が止まっている球を動かした場合、通常は罰なしで球が新たに止まった箇所からプレーします。
【自然に動いた球の原則】
- 罰なし
- 通常は新しい箇所からプレー
- ただしグリーンや救済後などの例外を確認
元の位置へ勝手に戻すと誤った処置になることがあります。
グリーンで一度リプレースした球は元へ戻す
パッティンググリーン上の球をすでに拾い上げ、元の箇所へリプレースした後に風などで動いた場合は、元の箇所へリプレースします。
動いた原因が自然の力でも同じです。
実際の条件には個人差や状況差があるため、この考え方を基準にしつつ、前後の条件も確認して判断しましょう。
まだ拾っていないグリーン上の球は新しい位置から
パッティンググリーン上に止まった球をまだ拾い上げ・リプレースしていない状態で、自然の力によって動いた場合は、原則として新しい箇所からプレーします。
- まだ拾い上げていない球が風で動く:新しい箇所からプレー
- 一度拾ってリプレースした球が風で動く:元の箇所へリプレース
「マークしたか」だけでなく、拾い上げてリプレースしたかがポイントです。
救済後の球が別のコースエリア等へ動く例外
ドロップ、プレース、リプレースによって球をインプレーにし、止まった後に自然の力で動いて別のコースエリアまたはアウトオブバウンズに止まった場合は、規則9.3の例外により元の箇所へリプレースします。
ボールが動いたときに間違えやすいケース
原因だけでなく、球の場所と直前に何をしたかによって処置が変わります。
アドレスした後に風で動いた
アドレスしたという事実だけで自動的にプレーヤーが原因とはなりません。風が球を動かしたと判断されるなら、自然の力による移動として処置します。
【原因判断で避けたい思い込み】
- アドレス後だから必ず自分の罰と思う
- 近くにいたから必ず自分が原因と思う
- 風が吹いたから必ず風が原因と思う
- 動いたか不確かなのに動いたと決める
規則9.2に基づき、分かっているまたは事実上確実かを判断します。
素振りで球を動かした
素振りそのものはストロークではありません。素振りによって止まっている球を動かす原因となった場合は、自分が球を動かしたケースとして規則9.4を確認します。
元の箇所へリプレースするのが基本です。
球を探している途中に動かした
球の捜索中に偶然動かした場合には、捜索に関する罰なしの規則が適用されるケースがあります。単純に「自分が動かしたから1罰打」とは限りません。
【例外確認が必要な場面】
- 球の捜索中
- グリーン上で偶然動かした
- 規則に基づき拾い上げている途中
- 計測や救済処置に関連する行動
具体的な状況に該当する規則を確認します。
動いた球を誤った場所から打たない
本来リプレースすべき球を新しい箇所から打つ、または本来新しい箇所から打つ球を元へ戻して打つと、誤所からのプレーになる可能性があります。
ボールが動いたときの確認手順
実戦で迷ったら、原因、場所、直前の処置の順で整理します。
球が動いたことが確実かを見る
まず球が元の箇所を離れて別の箇所に止まったことが分かっている、または事実上確実かを判断します。
【確認の流れ】
- 球が動いたか確認
- 原因を判断
- 球があったコースエリアを確認
- 直前の拾い上げ・救済処置を確認
- 罰と次にプレーする箇所を決める
疑わしい場合は競技委員会やレフェリーへ確認します。
自然か自分か外的影響かを分ける
風・水などの自然、自分やキャディー、他人・動物などの外的影響を区別します。それぞれ適用する規則が異なります。
球の近くで何が起きたかを落ち着いて確認します。
実際の条件には個人差や状況差があるため、この考え方を基準にしつつ、前後の条件も確認して判断しましょう。
グリーンではリプレース済みか確認する
自然の力で動いた場合でも、グリーン上では一度拾い上げてリプレースしたかどうかが重要です。
- 自然の力:原則罰なしで新しい箇所
- 自分が動かした:原則リプレースし罰を確認
- グリーンでリプレース済み:自然に動いても元へ戻す
- 例外があるため具体的状況を確認
短い原則と例外をセットで覚えます。
競技では現行規則を基準にする
球が動く規則には細かな例外があります。競技ではR&A/JGAの現行規則、ローカルルール、委員会の裁定を優先します。