ゴルフのアンプレヤブルとは?3つの救済方法と使いどころを解説

ゴルフの「救済」とは、規則で認められた条件に従って、球をそのまま打たず別の場所からプレーできるようにする処置です。救済には、カート道路や修理地などから受ける罰なしの救済と、ペナルティーエリアやアンプレヤブルなどで使う罰ありの救済があります。救済を受ける前に「何の規則を使うか」「罰打があるか」「基点と救済エリアはどこか」を確認することが重要です。

ゴルフの救済とは?

救済は、打ちにくい場所ならいつでも無料で動かせる制度ではありません。規則で定められた状況と方法に従います。

罰なし救済と罰あり救済がある

異常なコース状態など、コースの通常の挑戦とは扱われない状態からは罰なし救済が認められる場合があります。一方、ペナルティーエリアやアンプレヤブルなどは罰を加えて救済を受けます。

【救済の大きな分類】

  • 罰なし救済:条件を満たせば罰打を加えず処置
  • 罰あり救済:規則に定められた罰打を加えて処置

「救済」という言葉自体が無罰を意味するわけではありません。

救済を受けずそのまま打てる場合もある

状況によっては、救済を受けず球をあるがままプレーする選択ができます。ただしプレー禁止区域など、救済を受けなければならないケースもあります。

危険な場所では無理にそのまま打たず、安全を優先します。

救済エリアを決めてドロップするのが基本

多くの救済では、規則に従って基点と救済エリアを決め、その中へ球をドロップします。グリーン上の救済など、プレースするケースもあります。

救済前に確認する項目
  • 適用する規則
  • 罰打の有無
  • 救済の基点
  • 救済エリア
  • ドロップかプレースか

手順は球のあるコースエリアによって変わることがあります。

ストロークと距離の救済はいつでも選べる

規則18.1では、プレーヤーはいつでも1罰打を加え、直前のストロークを行った場所から再びプレーするストロークと距離の救済を選べます。

 
救済では、まず無罰か罰ありかを決めるのではなく、球の状況に適用する規則を確認すると、罰打と処置が自然に決まります。

罰なしで救済を受けられる主なケース

代表的な罰なし救済には、異常なコース状態やジェネラルエリアにくい込んだ球などがあります。ただし条件を満たす必要があります。

カート道路など動かせない障害物

カート道路などの動かせない障害物が、球、意図するスタンス、意図するスイング区域へ物理的に障害となる場合、規則16.1による罰なし救済が認められることがあります。

ジェネラルエリアでの基本例
  • 完全な救済のニヤレストポイントを決める
  • そこを基点に1クラブレングスの救済エリアを設定
  • ホールに近づかず、障害から完全に救済される場所へドロップ

単に障害物が視界に入るだけでは救済条件を満たさない場合があります。

修理地・一時的な水・動物の穴

これらは規則上「異常なコース状態」に含まれます。球やスタンス、スイング区域への障害など、規則16.1の条件を満たせば罰なし救済を受けられます。

球がペナルティーエリアにある場合など、同じ救済が認められない状況もあります。

ジェネラルエリアにくい込んだ球

直前のストロークによってできた自らのピッチマークに球がくい込み、球の一部が地表面より下にあるなど規則16.3の条件を満たす場合、ジェネラルエリアで罰なし救済を受けられます。

【くい込んだ球の救済で見る点】

  • ジェネラルエリアにあるか
  • 直前のストロークによる自分のピッチマークか
  • 球の一部が地表面以下にあるか
  • ローカルルールによる制限がないか

単に深いラフへ沈んでいるだけでは「くい込んだ球」とは限りません。

救済が認められない場合も確認する

境界物や不可分な物など、罰なし救済の対象にならない物もあります。また、別の理由で球をプレーすることが明らかに不合理な場合など、救済が認められないケースがあります。

 
罰なし救済は「打ちにくいから無料で動かせる」のではなく、規則が定める状態による障害があり、救済条件を満たした場合に受けられます。

1罰打で受ける主な救済

自分で救済を選び、1罰打を加えて別の場所からプレーする代表例を整理します。

ペナルティーエリアからの救済

赤や黄のペナルティーエリアから規則17に基づいて外へ救済を受ける場合、基本的に1罰打を加えます。赤と黄では利用できる救済方法が異なります。

【ペナルティーエリアの基本】

  • 黄:ストロークと距離/後方線上
  • 赤:黄の方法に加えてラテラル救済
  • いずれも基本1罰打

球がプレー可能なら、救済を受けずそのまま打てる場合もあります。

アンプレヤブルの救済

ペナルティーエリア以外で、プレーヤーは自分の球をアンプレヤブルとして扱うことを決められます。ジェネラルエリアなどでは、通常1罰打で3つの救済選択肢があります。

後方線上とラテラル救済には元の球の箇所を知っている必要があります。

ストロークと距離の救済

1罰打を加え、直前のストロークを行った場所から元の球または別の球をプレーする方法です。紛失球やOBでは原則としてこの処置が必要になります。

打数の例
  • 第1打をOB:1罰打を加え、直前の場所から次にプレーする球は第3打

競技でローカルルールが採用されている場合は、その内容も確認します。

バンカーでは追加の選択肢もある

バンカー内のアンプレヤブルでは、1罰打の通常の選択肢に加え、合計2罰打でバンカー外の後方線上へ救済を受ける選択肢があります。

 
1罰打の救済では、ペナルティーエリア、アンプレヤブル、ストロークと距離など、どの規則を使うかでドロップできる場所が変わります。

救済を受けるときの基本手順

救済の種類が違っても、適用規則を確認してから基点と救済エリアを決める流れは共通しています。

球の場所と障害の種類を確認する

ジェネラルエリア、バンカー、ペナルティーエリア、パッティンググリーンなど、球がどのコースエリアにあるかを確認します。

【救済の確認手順】

  • 球の場所を確認
  • 適用する規則を確認
  • 罰打の有無を確認
  • 基点と救済エリアを決める
  • 規則どおりドロップまたはプレース

同じ障害でも球の場所で処置が変わる場合があります。

完全な救済のニヤレストポイントを正しく理解する

罰なし救済で使う完全な救済のニヤレストポイントは、「ホールに最も近い都合のよい場所」ではありません。元の球の箇所よりホールに近づかず、該当する障害から完全に救済される最も近い地点を規則に従って決めます。

結果としてライが良くなる保証はありません。

救済エリアの大きさを確認する

1クラブレングスか2クラブレングスかなど、救済の種類によって範囲が異なります。後方線上の救済では別の決め方をします。

【救済で避けたい誤り】

  • 打ちやすい場所を先に選ぶ
  • 罰なしと1罰打を混同する
  • 基点を決めずにドロップする
  • 救済エリア外からプレーする

正しい救済エリアを決めてから球を扱います。

膝の高さから正しくドロップする

ドロップが必要な場合は、プレーヤー本人が膝の高さから球を真下へ放し、救済エリア内に止めます。

 
救済の手順は「状況確認→適用規則→罰打→基点→救済エリア→ドロップまたはプレース」の順で整理すると間違いを減らせます。

初心者が救済で迷いやすいポイント

救済は用語が多いため、似ている状況を同じ処置だと思わないことが大切です。

カート道路とOBは処置が違う

カート道路などの動かせない障害物は条件を満たせば罰なし救済がありますが、OBは原則としてストロークと距離の罰に基づいて処置します。

【混同しやすい例】

  • カート道路:条件を満たせば罰なし救済
  • ペナルティーエリア:規則17の罰あり救済を選べる
  • OB・紛失球:原則ストロークと距離
  • アンプレヤブル:プレーヤーが決めて罰あり救済

球が止まった場所の種類を確認します。

ニヤレストポイントは一番打ちやすい場所ではない

完全な救済のニヤレストポイントを決めた結果、ラフや傾斜など打ちにくい場所になる場合もあります。救済は良いライを保証する制度ではありません。

罰なし救済を受ける前に、救済後の場所を確認して判断できるケースもあります。

救済を受けた後も正しい場所からプレーする

ドロップした球が救済エリア内に止まったかを確認します。誤所からプレーすると一般の罰が関係する場合があります。

ラウンド中の最終確認
  • 罰打をスコアに加えた
  • 正しい救済エリアへ処置した
  • 球が救済エリア内に止まった
  • ローカルルールを確認した

疑問があればストローク前に確認します。

競技では公式規則を基準にする

救済規則には細かな条件や例外があります。競技ではR&A/JGAの現行規則と委員会のローカルルールを優先します。

 
救済は「無罰か1罰打か」だけを暗記せず、球の場所と原因から適用規則を特定し、その規則が定める方法で受けましょう。