ゴルフの暫定球は、最初に打った球が見つからない可能性やアウトオブバウンズ(OB)の可能性があるとき、プレー時間を節約するために使う手続きです。ただし、いつでも自由に打てる予備球ではありません。暫定球を正しく使うには「打てる条件」「ストローク前の宣言」「元の球が見つかった後の扱い」を理解することが重要です。
ゴルフの暫定球とは?
暫定球は規則18.3で定められた手続きです。元の球を探しに行ってから戻る時間を減らす目的があります。
暫定球を打てる基本条件
元の球がペナルティーエリア以外で紛失した可能性がある、またはOBになった可能性がある場合に暫定球をプレーできます。
- 深いラフや林などで紛失する可能性がある
- OBになった可能性がある
- ペナルティーエリアだけでなく他の場所で紛失した可能性もある
- ペナルティーエリアかOBか判然としない
元の球がペナルティーエリア内にあることだけが考えられる場合は、暫定球の手続きとはなりません。
時間節約のための手続き
元の球が紛失やOBだった場合、原則としてストロークと距離の救済が必要です。暫定球を先に打っておけば、元の場所まで戻る時間を減らせます。
- 第1打が林方向へ飛び紛失の可能性がある
- 暫定球と明確に宣言する
- ティーイングエリアから暫定球をプレーする
- 元の球を捜しに進む
元の球の状況によって、その後に使う球が決まります。
単なる打ち直しとは違う
暫定球であることを明確にしないまま直前の場所から別の球をプレーすると、その球がストロークと距離の罰に基づくインプレーの球となる場合があります。
【宣言を忘れない】
- 「暫定球」という言葉を使うと明確
- 単に「もう一回打つ」だけでは暫定球の宣言として不十分
- ストロークを行う前に宣言する
宣言は暫定球の重要な条件です。
暫定球も紛失・OBの可能性がある場合
暫定球自体がペナルティーエリア以外で紛失した可能性やOBの可能性があれば、さらに別の暫定球をプレーできます。
暫定球を打つときの宣言と手順
暫定球として扱うためには、別の球をプレーする前に意思を明確に示します。
ストローク前に誰かへ宣言する
プレーヤーは暫定球をプレーすることを、ストロークを行う前に誰かへ伝えます。
【基本手順】
- 元の球に紛失・OBの可能性があると判断する
- 別の球を用意する
- 暫定球をプレーすると明確に宣言する
- 直前のストロークを行った場所からプレーする
近くに宣言を聞く人が誰もいない場合については規則18.3bに例外的な扱いがあります。
「暫定球」と言うのが分かりやすい
規則では「暫定球」という言葉、または規則18.3に基づく暫定的な球であることを明確に示す表現が求められます。
- 「暫定球を打ちます」
- 「規則18.3に基づいて球をプレーします」
- 暫定的にプレーする意思が明確な表現
同伴者が意味を取り違えない表現にします。
元の球と区別できる球を使う
同じブランド・番号の球を使うと確認時に混乱しやすいため、識別しやすい球を使う方法があります。
- 番号を変える
- 識別マークを確認する
- 暫定球の特徴を覚える
自分の球を確認できるようにしておくことは紛失球の判断でも重要です。
直前のストローク地点から正しくプレーする
ストロークと距離に基づく場所からプレーする方法は、直前のストロークを行った場所によって規則14.6の手続きが異なります。
元の球が見つかった場合はどうする?
元の球が3分の捜索時間内に見つかった場合、その場所や状況によって暫定球の扱いが決まります。
ペナルティーエリア以外で元の球が見つかった
元の球が3分の捜索時間内にペナルティーエリア以外のコースで見つかり、暫定球がまだインプレーの球になっていなければ、暫定球を放棄して元の球でプレーを続けます。
【元の球が見つかったとき】
- 元の球を確認する
- 3分以内か確認する
- 暫定球がまだインプレーになっていないか確認する
- 条件を満たせば元の球で続ける
好みで暫定球を選ぶことはできません。
元の球がペナルティーエリアで見つかった
暫定球がまだインプレーになっていなければ、元の球についてペナルティーエリアの規則に従ってプレーします。
- 元の球の場所を確認する
- 適用される規則を確認する
- 暫定球は放棄する
- 元の球または認められる救済で進める
暫定球とペナルティーエリア救済を混同しないようにします。
元の球が予想より前で見つかることもある
暫定球をどこまでプレーしたかによっては、元の球が後で見つかってもすでに元の球がインプレーでなくなっている場合があります。
【暫定球を先へ打つときの注意】
- 元の球があると推定する場所を意識する
- その場所よりホールに近い地点から暫定球をプレーする前に状況を確認する
- 元の球の捜索時間を把握する
規則18.3cの条件を確認して進めます。
暫定球を自分の都合で選べない
元の球が悪いライ、暫定球がフェアウェイという理由だけで暫定球を選択することはできません。
暫定球がインプレーの球になる条件
元の球が紛失・OBとなった場合など、暫定球はストロークと距離の罰のもとでインプレーの球になります。
元の球が3分以内に見つからない
プレーヤーまたはキャディーが捜索を始めて3分以内に元の球を見つけられなければ、その球は紛失球となります。
- 捜索開始時点
- 3分の捜索時間
- 元の球の確認
- 暫定球の位置・状態
暫定球を適切にプレーしていれば、その球で続けられます。
元の球がOBだった
元の球全体がコースの境界縁の外にある場合はOBです。
- 元の球がOBと確認される
- 暫定球がストロークと距離の罰のもとでインプレーになる
- 暫定球でプレーを続ける
球の一部でも境界縁の内側にあるなど、規則上インバウンズとなる場合があります。
元の球の推定位置よりホールに近い場所から暫定球をプレーした
規則18.3cでは、元の球があると推定する場所よりホールに近い場所から暫定球をプレーすると、その暫定球がインプレーの球となる場合があります。
【前進時の注意】
- 元の球の推定位置を把握する
- 暫定球の位置と比較する
- 元の球より前から暫定球を打つ前に確認する
その後に元の球が見つかっても使えない場合があります。
打数はストロークと距離の罰を含めて数える
例えばティーショット後に適切な暫定球をティーから打ち、元の球が紛失となった場合、最初のストローク、1罰打、暫定球へのストロークを数えます。
暫定球で迷いやすい場面を整理
実戦では「ペナルティーエリアかもしれない」「元の球が見つかった」といった判断が重なります。基本条件に戻って整理します。
ペナルティーエリア方向へ飛んだ場合
球がペナルティーエリアにあることだけが考えられる場合は暫定球を使う場面ではありません。一方、エリア外で紛失またはOBの可能性もある場合は暫定球が認められることがあります。
- ペナルティーエリアの位置
- 球が飛んだ方向
- エリア外で紛失する可能性
- OBの可能性
その時点で分かっている情報をもとに判断します。
捜索を始めた後に戻って暫定球を打つ場合
3分の捜索時間が終わる前であれば、条件を満たして直前のストローク地点へ戻り暫定球をプレーできる場合があります。ただし時間節約という目的からは、可能性がある時点で先に暫定球を打つ方がスムーズです。
【プレーファストの考え方】
- 紛失・OBの可能性を早めに判断する
- 必要なら暫定球を宣言する
- 球を識別する
- 速やかに前進する
捜索時間の起算も意識します。
ローカルルールが設定されている場合
競技やコースによっては、OBや紛失球について特定のローカルルールが採用される場合があります。
【競技前の確認】
- ローカルルール
- 競技条件
- スコアカード等の案内
- 委員会からの告知
公式規則と、その競技で採用されるローカルルールを区別します。
迷ったら規則18.3を確認する
暫定球は宣言とその後の処理でスコアに影響するため、競技ではR&A・USGA・JGA等の最新の公式規則を確認します。