ゴルフ規則では、ボールを手で地面に置く場面があります。そのとき使われる「プレース」と「リプレース」は似ていますが、意味は同じではありません。リプレースは球を元の箇所へ戻す手続き、プレースは規則で指定された箇所に球を置く手続きとして理解すると整理しやすくなります。ドロップとの違いも合わせて覚えておきましょう。
ゴルフのプレースとリプレースの違い
どちらも球を手で置く行為ですが、「元の箇所へ戻すのか」「規則で定められた箇所へ置くのか」という違いがあります。
リプレースは元の箇所へ戻す
リプレースは、拾い上げたり動いたりした球を元の箇所へ戻す手続きです。
- 元の箇所が基準
- 規則により球を戻す必要がある場面で行う
- 正しい球・手続きで戻す
- 元のライの扱いも規則で確認する
パッティンググリーンでマークして拾い上げた球を戻す場面が代表例です。
プレースは指定された箇所へ置く
プレースは、規則によって球を特定の箇所に置くことが求められる場合に使われます。
- 正しくドロップした球が2回とも救済エリア外へ止まった後の処置
- 規則で球を置くことが求められる場面
どこへでも好きに置けるという意味ではありません。
ドロップは球を落とす手続き
ドロップは救済エリアへ球を落とす手続きで、プレース・リプレースとは方法が異なります。
【3つの違い】
- リプレース:元の箇所へ戻す
- プレース:規則で定められた箇所へ置く
- ドロップ:規則に従い球を救済エリアへ落とす
適用する規則が求める方法を使います。
手続きの取り違えは罰につながる場合がある
リプレースすべき場面でドロップするなど、誤った方法を使うと罰が生じることがあります。
リプレースが必要になる主な場面
リプレースの基本は「球を元の箇所へ戻す」ことです。代表的な場面を確認します。
パッティンググリーンでマークして拾い上げた球
グリーン上で球を拾い上げるときは、規則に従って球の箇所をマークし、プレー前に元の箇所へリプレースします。
【グリーンでの基本手順】
- 球の箇所をマークする
- 球を拾い上げる
- 認められる範囲で球をきれいにする
- 元の箇所へリプレースする
- ボールマーカーを取り除く
マークや拾い上げの手続きも規則14.1を確認します。
外的影響によって止まっている球が動かされた場合
外的影響が止まっている球を動かした場合など、規則によって元の箇所へ戻すことが求められる場面があります。
- 誰・何が球を動かしたか
- 球の元の箇所
- 適用される規則
- 罰の有無
原因によって処置が異なるため、単に元へ戻せばよいと決めつけません。
元の箇所が正確に分からない場合
リプレースが必要でも元の箇所が正確に分からない場合、規則14.2cにより元の箇所を推定してリプレースします。
【箇所が不明なとき】
- 元の箇所を合理的に推定する
- 推定した箇所へ球を置く
- 元の箇所の状態も規則に従って扱う
「分からないから近くへドロップ」ではありません。
元の球を使うのが基本
規則14.2では、リプレースするときは原則として元の球を使います。ただし、規則が別の球への取り替えを認める場合があります。
プレースが必要になる主な場面
プレースは、規則が球を特定の箇所に置くよう求める場合に行います。
ドロップした球が2回とも救済エリア外へ止まった場合
規則14.3に従って正しくドロップした球が救済エリア外へ止まり、2回目のドロップでも外へ止まった場合は、規則に従って球をプレースする手続きへ移ります。
【2回のドロップ後】
- 1回目を正しくドロップする
- 救済エリア外なら再ドロップする
- 2回目も外なら所定の箇所へプレースする
- 球が止まるか確認する
プレースする箇所は規則14.3cに従います。
プレースしても球が止まらない場合
指定された箇所へ置いても球が止まらない場合には、再度プレースし、それでも止まらなければ規則で定める最も近い箇所を探します。
- 最初のプレース
- 同じ箇所への再プレース
- それでも止まらない場合の規則を確認
- ホールに近づかない条件等を守る
自分の好きなライへ移すことはできません。
ローカルルールによるプレース
コース状態などにより、委員会がプリファードライ等のローカルルールを採用する場合があります。
【ローカルルール確認】
- 採用されているか
- 対象区域
- 球を動かせる範囲
- マーク等の手続き
- 適用期間
普段の慣習だけで勝手にプレースしないようにします。
プレースする人にも規則がある
誰が球を置くことができるかは、プレースとリプレースで規則上の条件があります。
実際の条件には個人差や状況差があるため、この考え方を基準にしつつ、前後の条件も確認して判断しましょう。
プレース・リプレースとドロップを使い分ける
実戦で迷いやすいのは、球を「置く」のか「落とす」のかという違いです。
救済エリアへ球を入れる場面はドロップが多い
カート道路など異常なコース状態からの救済や、ペナルティーエリアの救済など、多くの救済では規則に従ってドロップします。
- 救済の規則を確認
- 基点と救済エリアを決める
- 膝の高さから正しくドロップ
- 救済エリア内に球が止まることを確認
具体的な救済エリアは適用規則ごとに異なります。
ドロップは膝の高さから行う
現在の規則14.3では、立ったときの膝の高さから球を真下へ落とす方法が基本です。
- プレーヤー自身が行う
- 膝の高さから手を離す
- 投げたり回転を加えたりしない
- 地面に当たる前に身体や用具へ触れない
球は救済エリア内に正しく止まる必要があります。
リプレースすべき場面でドロップしない
元の箇所へ戻すことが求められているなら、規則に従ってリプレースします。
【取り違え防止】
- 元へ戻す→リプレースか確認
- 救済エリア→ドロップか確認
- 指定箇所へ置く→プレースか確認
- 不明なら適用規則を確認
方法を間違えたままストロークしないことが重要です。
誤りに気付いたらプレー前に訂正できる場合がある
球の取り替え、リプレース、ドロップ、プレースの手続きで誤りがあった場合、規則14.5に基づきストローク前なら訂正できる場合があります。
ボールを置くルールで迷わないための確認ポイント
プレースとリプレースは言葉だけで覚えるより、元の球の位置と適用規則を確認する習慣が役立ちます。
球を拾う前に理由を確認する
拾い上げが認められているか、マークが必要か、球を清掃できるかは場面によって異なります。
- 拾い上げが認められる理由
- マークの必要性
- 清掃できる範囲
- 戻す場所・救済方法
何となく球を拾い上げないようにします。
元の箇所か救済エリアかを区別する
元の箇所が基準ならリプレース、救済エリアが基準ならドロップというように、処置の目的を整理します。
| 手続き | 基本的な考え方 |
|---|---|
| リプレース | 元の箇所へ戻す |
| プレース | 規則で指定された箇所へ置く |
| ドロップ | 救済エリアへ規則どおり落とす |
例外や詳細条件は適用する規則を確認します。
ローカルルールを公式規則と混同しない
プリファードライなどは採用されている場合にだけ利用でき、範囲や手続きは委員会の定めに従います。
【スタート前に確認】
- ローカルルール
- 競技条件
- 対象区域
- 特別な救済手続き
仲間内の慣習と正式な競技規則も区別します。
競技では最新の公式規則を確認する
判断に迷う場合はR&A・USGA・JGA等の最新の公式規則を確認します。