ラウンド中、自分が打ちたい方向に他のプレーヤーのボールが止まっていることがあります。ゴルフ規則では、別のプレーヤーの止まっている球がスタンスやスイング、プレーの線の障害になる、または気が散るほど近い場合、その球をマークして拾い上げてもらうよう求めることができます。
他の人のボールが邪魔なときは、自分で勝手に動かすのではなく、そのボールの持ち主にマークして拾い上げるよう要請するのが基本です。拾い上げた球は元の箇所へリプレースします。
他の人のボールが邪魔なら拾い上げてもらえる?
規則15.3bでは、別のプレーヤーの止まっている球が自分のプレーの障害となる可能性があると合理的に考えられる場合、そのプレーヤーへマークして拾い上げるよう求められます。
スタンスやスイングの邪魔になる場合
他の人の球が自分の意図するスタンスやスイング区域の障害となる可能性があれば、拾い上げを要請できます。
- 足を置く位置に近い
- クラブが当たりそう
- 通常のスイング区域にある
- 安全に振りにくい
実際に合理的な障害があることが前提です。
プレーの線上や近くにある場合
自分がストロークすると、動いている球がその球へ当たる合理的な可能性がある場合も障害となります。
【ライン上の障害】
- 球が進む線上
- その線の近く
- 当たる合理的な可能性
- 意図するショットを基準に判断
単に遠くに見えるだけではなく、実際のプレーとの関係を見ます。
気が散るほど近い場合
別の球がストローク時に気が散るほど近くにある場合も、規則上の障害に含まれます。
- 球との距離
- 構えたときの視界
- 意図するストローク
- 合理的に気が散る位置か
主観だけで極端に広い範囲を要求しないようにします。
持ち主にマーク・拾い上げを頼む
障害がある場合は、球の持ち主へその箇所をマークして拾い上げるよう要請します。
実際の条件には個人差や状況差があるため、この考え方を基準にしつつ、前後の条件も確認して判断しましょう。
邪魔なボールを拾い上げる正しい手順
要請を受けたプレーヤーは、球の位置をマークしてから拾い上げ、必要なプレーが終わった後に元の箇所へリプレースします。
拾い上げる前に必ずマークする
障害となる球を拾い上げる場合、その箇所をボールマーカー等でマークしてから拾い上げます。
【基本手順】
- 位置をマーク
- 球を拾い上げる
- 相手がプレー
- 元の箇所へリプレース
- マーカーを取り除く
元の位置を失わないことが重要です。
グリーン外で拾った球は原則ふかない
規則15.3bに基づいて障害となるため拾い上げた球は、パッティンググリーンから拾い上げる場合を除き、ふいてはいけません。
【清掃の注意】
- グリーン上なら規則13.1bによりふける
- グリーン外ではこの理由で拾った球を原則ふかない
- 位置をマーク
- 元へリプレース
球を拾えることと、ふけることは別に考えます。
プレー後は元の箇所へ戻す
邪魔を避けるために拾い上げた球は、相手のストロークが終わった後など適切なタイミングで元の箇所へリプレースします。
【戻すとき】
- マーカー位置を確認
- 元の箇所へリプレース
- 球が止まったことを確認
- マーカーを外す
別の場所へ置き直す救済ではありません。
ストロークプレーでは先に打つ選択もある
ストロークプレーでは、障害となるため球の拾い上げを要請されたプレーヤーは、拾い上げる代わりに先にプレーすることができます。
グリーン上で他の人のボールが邪魔な場合
グリーン上では球をマークして拾い上げ、ふくことができるため、ライン上の球を一時的に取り除く手順も分かりやすく行えます。
ライン上の球はマークしてもらう
自分のパットが他の球へ当たる可能性がある場合は、その球の持ち主にマーク・拾い上げを求めます。
- 『マークをお願いします』
- 位置を確認してもらう
- 球を拾ってもらう
- パット後に戻してもらう
自分で勝手に位置を変えません。
ボールマーカー自体が邪魔な場合もある
球を拾ってもらってもボールマーカーが自分のプレーの障害になる場合があります。規則15.3cに基づき、邪魔なボールマーカーを移動してもらうことができます。
【マーカーを移す場合】
- 移す方向を決める
- 距離を正確に取る
- 移動を覚える
- プレー後に元へ戻す
戻し忘れに注意します。
グリーン上の球は拾い上げ時にふける
パッティンググリーン上の球は規則13.1bに基づいて拾い上げてふくことができます。
【グリーン上の違い】
- マークして拾える
- 球をふける
- 元の箇所へリプレース
- マーカーを外してプレー
グリーン外の障害球とは清掃の扱いが異なります。
他人のラインを踏まないように動く
マークや球の拾い上げを行う際は、他のプレーヤーのパットライン周辺を不用意に踏まないよう配慮します。
自分のボールが他の人の邪魔なときは?
自分の球が他人の邪魔になりそうだからと、コース上のどこでも自由に拾い上げられるわけではありません。
グリーン外では勝手に拾わない
自分の球が別のプレーヤーの邪魔になりそうだと自分だけが考えた場合、それだけを理由に規則15.3bで拾い上げることはできません。
【グリーン外の注意】
- 相手から要請されるまで待つ
- 別の規則で拾える場合はその規則に従う
- 勝手に清掃しない
- 元の位置を守る
パッティンググリーン上の球は規則13.1bにより別途拾い上げられます。
要請されたらマークして拾う
相手から障害となるため拾い上げを求められたら、位置をマークしてから球を拾います。
【要請されたとき】
- マーク
- 拾い上げ
- 必要なら先打ちを検討(ストロークプレー)
- 相手のプレー後にリプレース
競技形式を確認します。
拾った球をむやみにふかない
グリーン外で規則15.3bだけを理由に拾い上げた球は、認められていないのにふくと1罰打となるため注意します。
【球の扱い】
- グリーン上か確認
- 拾い上げ理由を確認
- 清掃可否を確認
- 元の箇所へ戻す
何の規則で拾ったかを意識します。
要請前に動かす必要はない
相手のプレーを気遣うことは大切ですが、規則上の手順を省いて先回りして球を動かさないようにします。
他の人のボールが邪魔なときの実践ポイント
ラウンドでは短い声掛けと正しいマーク手順を覚えておけば、スムーズに処置できます。
まず本当に障害か確認する
スタンス、スイング、プレーの線、ストローク時の視界など、自分が意図するプレーとの関係を確認します。
- スタンス
- スイング区域
- プレーの線
- 当たる可能性
- 気が散るほど近いか
合理的な理由があれば要請します。
持ち主へ簡潔に伝える
『ボールが邪魔になるのでマークをお願いします』など、何をしてほしいか分かるように伝えます。
- 『マークお願いします』
- 『マーカーも少し移動をお願いします』
- 『先に打ちますか?』
競技形式と状況に合わせます。
元へ戻すまでが処置
拾い上げただけで終わりではなく、元の箇所へ正しくリプレースしてプレーを再開します。
【最後の確認】
- 元の位置
- 球を戻す
- マーカーを外す
- プレー順を確認
マーカーを移動した場合は元へ戻すことも忘れません。
迷ったら現行ルールを確認する
球がグリーン外にある場合や、援助となる球、ボールマーカーが邪魔な場合などで適用条項が変わります。