ゴルフのボールが動いたときのルール|自分で動かした場合と自然に動いた場合

ラウンド中のゴルフボールは、いつでも自由に拾ってよいわけではありません。規則上、球を拾い上げられる場面では、元の箇所へ戻す「リプレース」が必要な場合と、救済エリアへ「ドロップ」する場合があります。拾う前に「この球は拾い上げてよいか」「元の場所へ戻すのか、救済を受けるのか」を確認することが基本です。

ゴルフでボールを拾っていい場面とは

代表的なのはパッティンググリーン上の球や、規則に基づいて救済を受ける場合です。状況によって手順が異なります。

グリーン上の自分の球は拾い上げられる

自分の球がパッティンググリーン上にある場合、球の箇所をマークしてから拾い上げ、ふくことができます。その後は元の箇所へリプレースします。

【グリーン上の基本手順】

  • 球の箇所をマークする
  • 球を拾い上げる
  • 必要なら球をふく
  • 元の箇所へリプレースする
  • ストローク前にボールマーカーを取り除く

マークせずに拾うと罰が関係するため、順序を守ります。

救済を受けるために拾う場合がある

動かせない障害物などから規則に基づく救済を受ける場合、球を拾い上げて救済エリアへドロップすることがあります。

救済のために拾い上げる場合は、元の箇所へリプレースするケースとは手順が異なります。

球の確認のため拾える場合がある

自分の球か確認する必要がある場合など、規則で認められた目的のために球を拾い上げられるケースがあります。必要以上に球をふけないケースもあるため、該当する規則の手順を確認します。

【拾う前に確認】

  • 拾い上げる根拠となる規則があるか
  • マークが必要か
  • 球をふいてよいか
  • リプレースかドロップか

迷う場合は勝手に拾わず確認します。

プレー中の球を理由なく拾わない

ジェネラルエリアなどで止まっているインプレーの球を、単に汚れているから、邪魔に感じるからという理由だけで自由に拾えるわけではありません。

 
球を拾うときは、グリーン上だから、救済を受けるからなど、規則上の理由を確認してから手を触れる習慣を付けましょう。

拾い上げる前のマークとリプレースの基本

拾い上げた球を元の箇所へ戻す場合、球の位置を正しく残すことが重要です。

元の場所へ戻す球は先にマークする

規則14.1aでは、元の箇所にリプレースする球を拾い上げる前に、その箇所をマークすることが求められます。

マークの方法
  • ボールマーカーを球の直後やすぐ近くに置く
  • またはクラブを球の直後やすぐ近くの地面に留めておく

通常のプレーではボールマーカーを使うと位置を管理しやすくなります。

リプレースは元の箇所へ置く

リプレースとは、基本的に球を元の箇所へ置いて戻す処置です。元の箇所が分からない場合は規則に従って推定します。

救済エリアへ落とすドロップとは意味が異なります。

実際の条件には個人差や状況差があるため、この考え方を基準にしつつ、前後の条件も確認して判断しましょう。

原則として元の球を使う

リプレースする場合は原則として元の球を使用します。規則14.2aには、元の球を回収できない特定の場合や球が切れたりひびが入った場合など、別の球を使える例外があります。

【リプレースとドロップの違い】

  • リプレース:規則で定めた一点へ球を置く
  • ドロップ:規則で定めた救済エリアへ球を落とす

処置を混同しないようにします。

リプレース後はマーカーを外す

ボールマーカーで位置を示した場合、球をリプレースした後、ストロークを行う前にマーカーを取り除きます。

 
拾った球を元の場所へ戻すケースでは、「マーク→拾う→リプレース→マーカーを外す」という順番を覚えておくと基本処置を間違えにくくなります。

パッティンググリーンで球を拾うルール

パッティンググリーンには球の拾い上げや移動について特別な規則があります。

グリーン上では球をマークして拾える

球の一部がパッティンググリーンに触れているなど、規則上グリーン上にある球はマークして拾い上げ、ふくことができます。

グリーン上の例
  • 自分の球がグリーン上に止まった:位置をマークして拾い、ふいた後に元の箇所へリプレースできる

他人のライン上にあるからという理由だけで、手順を無視して動かさないようにします。

グリーン上で偶然自分の球を動かしても罰がない場合がある

規則13.1dでは、プレーヤーなどがパッティンググリーン上の球やボールマーカーを偶然に動かした場合、罰はなく、球を元の箇所へリプレースします。

故意に動かす場合とは区別します。

実際の条件には個人差や状況差があるため、この考え方を基準にしつつ、前後の条件も確認して判断しましょう。

一度拾ってリプレースした球が自然に動いたら戻す

パッティンググリーン上で、すでに拾い上げて元の箇所へリプレースした球が風など自然の力で動いた場合、その球は元の箇所へリプレースします。

【グリーン上で自然に動いた球】

  • まだ拾い上げ・リプレースしていない球:原則として新しい箇所からプレー
  • すでに拾い上げ・リプレースした球:元の箇所へリプレース

この違いはラウンド中に間違えやすいポイントです。

他の人の球を勝手に拾わない

ストロークプレーでは他のプレーヤーの球を自己判断で拾うのではなく、必要な場合は本人に確認します。マッチプレーには相手の球を動かした場合の規則もあります。

 
グリーンでは球を自由に扱えるのではなく、位置をマークしてから拾い、元の箇所へ正しくリプレースするのが基本です。

拾い上げと救済で間違えやすいポイント

「球を拾った後は元に戻す」と覚えるだけでは、救済を受けるケースで混乱します。

救済では元の位置へ戻さない場合がある

罰なしまたは罰ありの救済を受ける場合は、規則で定められた救済エリアへ球をドロップすることがあります。

【処置を分ける判断】

  • 元の一点へ戻す規則:リプレース
  • 救済エリアへ入れる規則:ドロップ
  • ティーイングエリアから再プレー:その場所の規則に従う

どの規則を使っているかを先に確認します。

球をふける範囲は状況で異なる

グリーン上の球など、拾い上げた際にふくことが認められる場面があります。一方、特定の目的で拾い上げる場合には、ふくことに制限があるケースがあります。

「拾えた=必ず全面をふける」と考えないようにします。

拾う前に位置を残す必要があるか確認する

元の箇所へリプレースする球は、原則として拾う前に位置をマークします。救済を受けるために拾う場合には、元の位置のマークが要求されないケースがあります。

【よくあるミス】

  • マークせずにグリーン上の球を拾う
  • リプレースとドロップを混同する
  • 拾える場面なら必ずふけると思う
  • 他人の球を自己判断で動かす

競技では疑問があればレフェリーや委員会へ確認します。

誤った処置はプレー前に気づくことが大切

規則14では、処置上の誤りを球をプレーする前なら罰なしで訂正できる場合があります。違和感があればストローク前に確認します。

 
球を拾うルールでは、「拾ってよい理由」「マークの要否」「リプレースかドロップか」「球をふけるか」の4点を確認すると整理しやすくなります。

ラウンド中にボールを拾うときの確認手順

実戦では短い手順で確認できるようにしておくと安心です。

まず球がインプレーか確認する

プレー中の自分の球なら、規則上の理由なく動かさないのが基本です。拾い上げが認められる状況か確認します。

【拾う前の確認手順】

  • 球のある場所を確認
  • 拾い上げ可能な規則を確認
  • 必要なら位置をマーク
  • 球を拾う
  • 規則に従いリプレースまたはドロップ

処置が分からないときは先に確認します。

グリーンならマークを習慣にする

グリーンに乗ったら、球の直後やすぐ近くへボールマーカーを置いてから拾う習慣を付けます。

リプレース後はマーカーを取り除いてからストロークします。

実際の条件には個人差や状況差があるため、この考え方を基準にしつつ、前後の条件も確認して判断しましょう。

救済なら使う規則を確認する

カート道路、ペナルティーエリアなど状況によって救済方法が違います。拾ってから「どこへ置くか」を考えるのではなく、処置を決めてから球を扱います。

覚えておきたい用語
  • マーク:元の球の箇所を示す
  • 拾い上げ:球を元の箇所から取り上げる
  • リプレース:規則に従って一点へ戻す
  • ドロップ:救済エリアへ規則に従って球を落とす

用語の違いを理解すると規則を読みやすくなります。

競技では最新の規則を確認する

公式競技ではR&A/JGAの現行規則と競技のローカルルールを基準にします。カジュアルなプレーでも基本ルールを知っておくと処置がスムーズです。

 
ボールは「拾ってから考える」のではなく、拾える状況かを確認し、必要ならマークしてから扱うことが基本です。