ゴルフの救済とは?無罰・1罰打の救済方法と受け方を整理

ゴルフの「ドロップ」は、規則に基づいて救済を受けるときに、球を決められた方法で救済エリアへ戻す手続きです。単に球を適当な場所へ落とすことではありません。現在の基本は、プレーヤー自身が膝の高さから球を真下に落とし、正しい救済エリア内に球を止めることです。ドロップする高さだけでなく、誰が行うか、最初に地面へ触れる場所、最終的に止まる場所まで確認します。

ゴルフのドロップとは?

ドロップは、カート道路などからの罰なし救済、ペナルティーエリアやアンプレヤブルなどの罰あり救済で使われます。まず適用する規則から救済エリアを決め、その後に規則14.3の方法で球をドロップします。

ドロップは救済を受けるための手続き

球がある場所から別の場所へ移してプレーする救済では、規則によってドロップが求められるケースがあります。救済の理由によって基点や救済エリアの大きさは変わります。

【ドロップ前に決めること】

  • どの規則で救済を受けるか
  • 救済エリアの基点
  • 救済エリアの大きさ
  • ホールに近づかない等の制限

ドロップ方法だけ正しくても、救済エリア自体が間違っていれば正しい処置にはなりません。

プレースやリプレースとは違う

ドロップは球を空中から落とす処置です。一方、プレースは指定された場所へ球を置くこと、リプレースは規則に従って元の箇所などへ球を戻すことを指します。

例えばパッティンググリーン上で拾い上げた球は、通常はドロップではなく元の箇所へリプレースします。

ドロップするのはプレーヤー本人

規則14.3bでは、正しい方法でドロップするためにはプレーヤー自身が球をドロップします。他の人が代わりに落とす方法では正しいドロップになりません。

正しいドロップの基本
  • プレーヤー本人が行う
  • 膝の高さから放す
  • 真下に落とす
  • 地面に落ちる前に体や用具へ触れさせない

膝の高さとは、プレーヤーが真っすぐ立ったときの膝の高さです。

救済エリア内に止まって完了する

正しい方法でドロップした球が、規則で定められた救済エリア内に止まれば救済は完了します。球が救済エリア外へ止まった場合は、そのまま打たず規則14.3cの手順に従います。

 
ドロップは「膝の高さから落とす」だけではなく、正しい救済エリアを決め、正しい方法で落とし、そのエリア内に球が止まって初めて完了します。

正しいドロップの高さとやり方

初心者が間違えやすいのが高さと球の放し方です。現在の規則では肩の高さではなく膝の高さが基準です。

膝の高さは立った姿勢を基準にする

「膝の高さ」は、プレーヤーが立った姿勢での膝の高さを意味します。実際に球を放すときに必ず直立している必要はありませんが、基準となる高さを守ります。

高さの考え方
  • 基準:真っすぐ立ったときの自分の膝の高さ
  • 放し方:その高さから球を真下へ落とす

高すぎたり低すぎたりする位置から意図的に放さないようにします。

球は真下に落とす

球を前へ投げる、横へ転がす、回転をかけるなど、止まる場所へ影響を与えるような動作は行いません。手から自然に真下へ落とします。

球は必ず空中を落下する必要があり、地面へ置くのはドロップではありません。

地面に落ちる前に体や用具へ触れさせない

放した球が最初に地面へ触れる前に、自分の足やクラブ、バッグなどへ当たらないようにします。

【誤ったドロップになりやすい例】

  • 肩の高さから落とす
  • 球を投げる・転がす
  • 地面へプレースする
  • 地面に落ちる前に足やクラブへ当てる

正しくない方法でドロップした場合は、球をプレーする前に正しい方法でやり直します。

斜面でも基準は膝の高さ

斜面では自分が立つ位置によって地面までの距離が変わりますが、規則上の膝の高さを基準に球を空中から落とします。

 
ドロップするときは、立った姿勢での自分の膝の高さを基準に、球へ余計な動きを加えず真下へ放すと覚えましょう。

ドロップする正しい場所はどう決める?

ドロップ位置は自分の好きな場所ではありません。適用する救済規則に従って「救済エリア」を決めます。

まず救済の基点を決める

カート道路など異常なコース状態からの罰なし救済では、通常は完全な救済のニヤレストポイントが基点になります。一方、アンプレヤブルのラテラル救済などでは元の球の箇所が基点になります。

【基点が変わる例】

  • 異常なコース状態:完全な救済のニヤレストポイントを基準にする場合がある
  • アンプレヤブルのラテラル救済:元の球の箇所が基点
  • 赤のペナルティーエリアのラテラル救済:最後に縁を横切った地点が基点

使う規則を先に決めることが重要です。

クラブレングスで救済エリアを測る場合がある

救済規則によって、基点から1クラブレングスや2クラブレングスの範囲が救済エリアになります。どの救済でも同じ幅ではありません。

クラブレングスの定義も規則に従います。

実際の条件には個人差や状況差があるため、この考え方を基準にしつつ、前後の条件も確認して判断しましょう。

球は救済エリア内に最初に落とす

規則14.3では、球を救済エリア内に正しくドロップする必要があります。救済エリアの外へ落として、転がって中へ入ればよいという考え方ではありません。

場所の確認
  • 基点を決めた
  • 救済エリアの大きさを確認した
  • ホールに近づかない等の制限を確認した
  • 救済エリア内へドロップする

救済エリアの境界が分かりにくい場合はクラブなどで範囲を確認します。

球も救済エリア内に止まる必要がある

正しくドロップしても、最終的に球が救済エリア外へ止まれば救済は完了しません。再ドロップ等の手順へ進みます。

 
ドロップ場所は「打ちやすい所」ではなく、使う救済規則から基点と救済エリアを決め、その範囲内で処置します。

ドロップした球が外へ転がったらどうする?

斜面などでは、正しくドロップしても球が救済エリア外へ転がることがあります。その場合の手順も規則14.3で定められています。

救済エリア外に止まったら再ドロップする

正しい方法でドロップした球が救済エリア外に止まった場合は、正しい方法で2回目のドロップを行います。

【球が外へ出たときの流れ】

  • 1回目を正しくドロップ
  • 救済エリア外に止まる
  • 2回目を正しくドロップ
  • 再び外に止まった場合は規則に従いプレース

1回目で外へ出た球を、そのまま外からプレーしないようにします。

2回目も外へ出たらプレースする

正しく2回ドロップしても救済エリア外へ止まる場合は、2回目のドロップで球が最初に地面へ触れた箇所へ球をプレースする手順に移ります。

その箇所に止まらない場合にも規則14.2eに基づく追加手順があります。

途中で人や用具に偶然当たった場合

正しくドロップした球が地面に触れた後、止まる前に偶然プレーヤーや用具などへ当たった場合でも、それだけで自動的に罰や再ドロップになるわけではありません。最終的に救済エリア内へ止まったかを確認します。

【判断のポイント】

  • 地面に落ちる前に体・用具へ触れた:正しいドロップではない
  • 地面に触れた後に偶然当たった:最終的に止まった場所を確認

故意に球を止める行為とは区別します。

誤った方法ならプレー前にやり直す

膝より高い位置から落としたなど、正しくない方法でドロップした場合は、球をプレーする前に正しくドロップし直します。

 
正しくドロップした球が救済エリア外へ止まったら2回目をドロップし、それでも外へ止まる場合は規則に従ってプレースへ移ります。

初心者がドロップするときの実践手順

ラウンド中は「救済を決める→エリアを決める→ドロップする→止まった場所を確認する」の順で進めると混乱しにくくなります。

適用する救済規則を確認する

カート道路、修理地、ペナルティーエリア、アンプレヤブルなど、状況によって救済方法や罰打が違います。

【ドロップの実践手順】

  • 救済の種類を確認
  • 基点を決める
  • 救済エリアを確認
  • 膝の高さから真下へドロップ
  • 球が救済エリア内に止まったか確認

罰なし救済か罰あり救済かもこの段階で確認します。

救済エリアを先にイメージする

ドロップしてから場所を確認するのではなく、基点とクラブレングスを使って救済エリアを把握してから球を落とします。

ホールに近づけないなどの制限も忘れないようにします。

実際の条件には個人差や状況差があるため、この考え方を基準にしつつ、前後の条件も確認して判断しましょう。

球が止まるまで確認する

球が最初に地面へ触れた場所だけでなく、最終的にどこへ止まったかを確認します。救済エリア外なら再ドロップの手順が必要です。

初心者が覚える4点
  • 本人がドロップ
  • 膝の高さ
  • 真下へ落とす
  • 救済エリア内に止める

この4点を押さえたうえで、個別の救済規則を確認します。

競技では現行規則とローカルルールを優先する

救済の具体的な基点やエリアは状況によって異なります。競技ではR&A/JGAの現行規則と委員会が定めたローカルルールを確認します。

 
ドロップは、正しい救済エリアを決めたうえで、プレーヤー本人が膝の高さから真下へ球を落とし、そのエリア内に止めるのが基本です。