ゴルフのプレーファストとは、ショットを慌てて打つことではなく、ラウンド全体を速やかなペースで進めることです。現行のゴルフ規則5.6では、ストロークの準備と実行、ショット間の移動、ホール終了後の次のティーへの移動まで含めて速やかなペースでプレーすることが求められています。初心者が遅れないためには、スイングを急ぐより「自分の番になる前の準備」「安全な移動」「球探しや記録の時間短縮」を習慣にすることが重要です。この記事では初ラウンドでも実践しやすい行動を場面別に解説します。
ゴルフのプレーファストとは何をすること?
まず「速く振ること」と「速やかなペースでラウンドすること」を分けて考えます。
ショットだけでなく移動や準備も含まれる
規則5.6bでは、各ストロークの準備と実行だけでなく、ストローク間の移動や次のティーイングエリアへの移動もプレーのペースに含まれます。
- ショット前の準備
- ショットそのもの
- 次の球への移動
- 球探し
- 次ホールへの移動
一打を数秒短くすることだけを考えるより、ラウンド全体の待ち時間を減らす方が実践的です。
自分の順番前に準備する
公式規則は次のストロークを前もって準備し、自分の順番になればすぐプレーできるようにすることを勧めています。
【順番前にできる準備】
- 球位置を確認
- 距離を確認
- ライを見る
- クラブ候補を決める
- 狙いを考える
他人のショットを妨げない安全な位置で準備し、自分の番で初めてすべてを考え始めないようにします。
40秒は準備後の目安として理解する
現行規則では、プレーできる状態になってから40秒以内にストロークすることが推奨され、多くの場合はさらに速くプレーできるとされています。
【40秒の考え方】
- 安全にプレーできる状態が前提
- 気を散らすものがない状態が前提
- 準備は事前に進める
- 毎打40秒使う目標ではない
数字だけを意識して慌てるのではなく、準備を前倒しするための目安として捉えます。
安全を犠牲にして速くしない
前の組へ届く可能性がある、同伴者が打球線の前にいるなどの状況では、進行が気になっても待つ必要があります。
初心者はショットのルーティンを極端に削るより、ショット以外の時間から整えましょう。
初心者がショット前にできる具体的な行動
自分の番が来てから考える項目を減らすと、落ち着きと進行を両立できます。
自分の球を早めに確認する
ショット後は着地点の方向と目印を覚え、次の地点へ移動するときに自分の球位置を把握します。
- 木
- バンカー
- 斜面
- ヤード表示物
- フェアウェイの左右
同伴者の球も可能な範囲で見ておくと、組全体の球探しを短くしやすくなります。
距離とライを先に見る
安全に球へ近づける状況なら、順番を待つ間に残り距離、傾斜、芝の状態などを確認します。
- 残り距離
- 高低差
- 風
- ライ
- ハザードや安全な狙い
自分の番では最終確認だけでアドレスへ移れる状態を作ります。
候補クラブを複数持って移動する
カートから球まで離れていて番手が迷いそうな場合は、前後の番手など候補を持って行くと往復を減らせます。
【持って行く例】
- 前後のアイアン
- グリーン周りはウェッジとパター
- ライで選択が変わる場合は候補を複数
- 必要な距離計等
打球後は置き忘れがないよう回収までを一連の行動にします。
素振りやルーティンを必要以上に増やさない
毎回多くの素振りや長い迷いが続く場合は、自分に必要な確認動作だけに整理します。
練習場でも「距離確認→クラブ決定→素振り→ショット」の流れを一定にするとコースで迷いにくくなります。
移動・球探し・グリーンで時間を減らす方法
プレーファストは打つ瞬間以外の行動を整えると大きく改善しやすくなります。
打ったら安全に次の場所へ移動する
ショット後に長くその場へ残らず、他の人の打球線を避けながら次の球位置へ移動します。
- 次の球位置を確認
- 打つ人の前へ出ない
- カート位置を考える
- クラブを忘れない
- 次打の準備へ移る
速く歩くことだけが目的ではなく、戻りや待ちが生じない動線を考えます。
球探しは3分の規則も意識する
現行規則では、プレーヤーまたはキャディーが球を捜し始めてから3分以内に見つからなければ紛失球となります。
【球探しで遅れないために】
- 着地点の目印を覚える
- 捜索開始を意識する
- 全員の球位置も確認する
- 必要なら暫定球を活用
- 3分を超えて探し続けない
紛失やOBのおそれがあるときは、規則上認められる状況なら暫定球を利用すると元の場所へ戻る時間を減らせます。
グリーンでは待ち時間にラインを読む
他人のプレーを妨げない範囲で、球をマークし、距離や傾斜を確認して自分の番に備えます。
- 球を正しくマーク
- 必要に応じて球をふく
- ラインを読む
- パターを準備
- 次ホールへの出口を意識
全員がホールアウトしたらグリーン上で長くスコアを記入せず、次の場所へ移動します。
スコアは安全な場所で記録する
前ホールのグリーンを離れ、次のティー周辺など後続組を妨げない場所で記録します。
最初にティーショットする人は、進行を止めないタイミングで記録するなど組内で工夫します。
レディーゴルフをプレーファストに活用する
ストロークプレーでは、安全で責任ある方法によるレディーゴルフが認められ、推奨されています。
準備できた人が安全に先に打てる場面がある
本来遠い人が球を確認中などでまだ打てず、別の人が安全にプレーできる場合は順番を変えることで待ち時間を減らせます。
- 遠い人が未準備
- 別の人は準備完了
- 打球線が干渉しない
- 互いに意図を共有できる
先に打つことで他人を危険にさらしたり、気を散らしたりしないことが前提です。
短いパットを先に終えることもある
ストロークプレーでは状況に応じて安全に先にホールアウトするなど、円滑な進行につながる順番変更ができます。
- 本来の順番の人の状況
- 他人のライン
- 安全
- 集中を妨げないか
- 声掛けの必要性
本来の順番の人が準備できていて先に打ちたい場合は、その人を待つのが基本です。
マッチプレーと混同しない
プレー形式によって順番変更の扱いは異なります。マッチプレーでは相手と時間節約のため順番変更に同意できる場合がありますが、ストロークプレーと同じ感覚で勝手に進めません。
【事前確認】
- プレー形式
- 競技要項
- ローカルルール
- 組内の進行方針
競技では最新規則と委員会の指示を優先します。
速さを競争にしない
レディーゴルフは一番早く打った人が良いという考えではありません。
初心者が焦って先打ちする必要はなく、まず事前準備を整えることから始めます。
初心者が遅れないためのラウンド前チェック
当日に急いで対応するより、事前準備と組内の協力で遅れにくい状態を作ります。
必要な物をすぐ取り出せるようにする
予備球、ティー、マーカーなどをバッグの奥から毎回探すと小さな遅れが積み重なります。
- 予備球
- ティー
- ボールマーカー
- グリーンフォーク
- 必要な距離計等
ポケットや小物入れの位置を決め、プレー中に探し物を減らします。
よく使うクラブの距離を把握する
番手ごとの距離が全く分からないと毎打クラブ選択に迷いやすくなります。
- ドライバーの通常距離
- よく使うアイアン
- 100ヤード前後のクラブ
- 短いアプローチ
厳密な数字でなくても、自分の通常のキャリーを練習で確認しておくと選択が早くなります。
前の組との位置関係を見る
自分たちの組が前の組から大きく離れていないか、ラウンド中に前方を確認します。
【遅れを感じたら見直すこと】
- ショット前の準備
- 移動
- 球探し
- クラブの往復
- スコア記入
前が詰まっている場合など、遅れの原因が自分たちだけではない状況もあるため全体を見て判断します。
コースや競技のペース方針を確認する
委員会はラウンド、ホール、一連のホール、ストロークなどに最大時間を設定するプレーのペース方針を採用できます。
コースや競技が示す進行目安・ローカルルールがある場合は、その案内を優先してください。