ゴルフで「ギブアップ」という言葉は、ホールの途中でプレーをやめ、そのホールを一定のスコアとして扱う意味で使われることがあります。ただし、通常のストロークプレーで自由にギブアップできるという公式ルールがあるわけではありません。一方、最大スコア方式など、ホールアウトせずにホールを終えられる正式な競技形式もあります。まずプレー形式とコンペ独自の取り決めを確認することが大切です。
ゴルフのギブアップとは?
一般的にギブアップと呼ばれる行為には、プライベートラウンドの独自運用と、規則で認められた特定の競技形式が混在しています。
仲間内ではホール途中でプレーをやめる意味で使われる
大たたきになったホールで進行を遅らせないため、途中で球を拾い上げて一定のスコアを記録する運用が行われることがあります。
【最初に区別したいこと】
- 通常のストロークプレー
- 最大スコアなど別形式のストロークプレー
- プライベートコンペの独自ルール
- 単なる仲間内の取り決め
同じ「ギブアップ」という言葉でも、スコア上の扱いは同じとは限りません。
通常のストロークプレーは原則ホールアウトが必要
規則3.3cでは、通常のストロークプレーで各ホールをホールアウトする必要があります。ホールアウトせず次のホールを始めるなど、定められた期限までに訂正しなければ失格となります。
「大たたきだから途中で終了」は通常のストロークプレーの正式な処置ではありません。
最大スコア方式ならホールアウトしない場合の扱いがある
規則21.2の最大スコア方式では、委員会が各ホールの最大スコアを設定します。プレーヤーがホールアウトしない場合、そのホールは最大スコアとして扱われます。
【最大スコア方式の特徴】
- 最大スコアを委員会が設定する
- 最大に達したらプレーをやめられる
- ホールアウトしない場合も最大スコアとして扱われる
これは仲間内のギブアップとは異なる正式な競技形式です。
「ギブアップは必ず何打」と固定しない
プライベートコンペでは「規定打数の何倍」など独自の方法が使われることがありますが、すべてのゴルフに共通するギブアップの固定スコアではありません。
ギブアップしたときのスコアはどうなる?
スコアの扱いは、そのラウンドで採用しているプレー形式によって決まります。
通常のストロークプレーでは途中終了を前提にしない
通常のストロークプレーでは、各ホールをホールアウトして実際のストローク数と罰打を記録します。ホールアウトせずに次のホールへ進むことには規則上の問題があります。
- 打ったストロークを数える
- 適用される罰打を加える
- 球をホールへ入れてホールアウトする
- ホールごとのグロススコアを記録する
競技では自己判断で上限を設けないようにします。
最大スコア方式は設定された上限で扱う
最大スコア方式では、ダブルパー、固定打数、ネットダブルボギーなど、競技条件で定めた方法によって最大スコアを設定できます。
実際のスコアが上限以上になった場合やホールアウトしなかった場合は、規則21.2に従って処理されます。
コンペ独自のギブアップは主催者の条件を確認する
プライベートコンペが独自にギブアップのスコアを定めている場合は、スタート前に計算方法を確認します。
- ギブアップを認めるか
- 記録するスコア
- 罰打をどう扱うか
- 順位計算への反映方法
組ごとに異なる数え方をすると公平な集計が難しくなります。
スコアカードには採用方式に合うスコアを記録する
正式競技では競技形式の規則に従います。カジュアルラウンドでも、後から見て独自ルールを使ったことが分かるよう参加者間で認識をそろえておくと混乱を防げます。
初心者がギブアップを考えやすい場面
初心者はバンカーや林などで打数が増えることがあります。進行への配慮は重要ですが、競技では規則に沿った対応が必要です。
同じ場所で何度も打って進まないとき
深いバンカーなどで打数が増えても、通常のストロークプレーなら勝手に球を拾って固定スコアにするのではなく、利用できる救済規則がないか確認します。
【まず考えること】
- アンプレヤブルの救済を使えるか
- 正しい罰打を数えているか
- プレー形式に最大スコアがあるか
- 後続組の進行を妨げていないか
規則上の救済を知ることもプレーファストにつながります。
ロストボールやOBで打数が増えたとき
紛失球やOBではストロークと距離など適用される規則に従います。単に打数が増えたこと自体は、通常のストロークプレーでギブアップできる理由にはなりません。
ローカルルールがある場合はその条件も確認します。
最大スコア方式なら上限到達後に終了できる
最大スコア方式では、すでにそのホールの最大スコアに達した場合、プレーを続けてもスコアはそれ以上悪くならないため、プレーをやめることができます。
【最大スコア方式の実用面】
- 大たたきしたホールで進行を保ちやすい
- 初心者でもラウンドを続けやすい
- ホールごとの上限が競技条件で明確になる
採用されていないラウンドへ勝手に適用することはできません。
体調不良や危険がある場合はスコアより安全を優先する
体調不良、雷、けがなど安全上の問題がある場合は、無理にホールを続けることを優先しません。スタッフへ連絡し、競技なら中断・棄権などの扱いを確認します。
ギブアップと棄権・OKパットの違い
似た言葉でも、ホール途中の終了、ラウンド全体からの棄権、パットのコンシードは別の概念です。
ギブアップとラウンドの棄権は範囲が違う
一般にギブアップは一つのホールを途中で終える意味で使われることがありますが、棄権は競技やラウンド自体を続けない意味で使われます。
【言葉の違い】
- ギブアップ:ホール途中終了の俗称・独自運用として使われることがある
- 棄権:競技やラウンドを続けない
- OKパット:短いパットを省略する慣習として使われる
公式規則での扱いはプレー形式ごとに確認します。
OKパットはギブアップではない
マッチプレーでは相手が次のストロークをコンシードできます。一方、通常のストロークプレーには同じ仕組みはありません。
短いパットを省略することと、大たたきしたホールを途中で終えることを混同しないようにします。
最大スコア方式は正式な競技形式
最大スコア方式は規則21.2に定められたストロークプレーの一形式です。単なるローカルな「ギブアップ制度」と同一ではありません。
【混同を避けるポイント】
- 俗称と公式規則を分ける
- プレー形式を確認する
- コンペ独自条件を公式ルールと思い込まない
スコアを提出する場面ほど区別が重要です。
カジュアルな取り決めは事前共有する
仲間内でギブアップを認める場合は、スコアの扱いをスタート前に決めます。途中で都合よく条件を変えないようにします。
ギブアップで迷ったときの確認手順
初心者は「何打になったら拾うか」を暗記するより、ラウンドの方式を最初に確認する方が確実です。
スタート前に競技形式を確認する
通常のストロークプレーなのか、最大スコア方式なのか、プライベートコンペの独自方式なのかを確認します。
【確認の流れ】
- プレー形式を確認
- 最大スコアの有無を確認
- コンペ独自ルールを確認
- スコアの記録方法を確認
- 不明点を委員会・主催者へ確認
スコアカードや競技要項にも目を通します。
ホール途中で分からなくなったら勝手に決めない
競技なら委員会やルール担当者へ確認できる方法を把握しておきます。カジュアルラウンドなら同伴者と取り決めを確認します。
「いつもこうしている」だけで公式競技の処置を決めないようにします。
罰打を含めて現在の打数を把握する
OB、ペナルティーエリア、アンプレヤブルなどが重なると打数を見失いやすくなります。次のショット前に整理するとスコアカードの誤記を防げます。
- 実際に行ったストローク
- 適用された罰打
- プレー形式による最大スコア
正式なスコアでは独自の上限を勝手に加えません。
現行規則と競技条件を優先する
公式競技ではR&A/JGAの現行規則と委員会の競技条件を確認します。特に通常のストロークプレーと最大スコア方式では、ホールアウトしない場合の扱いが異なります。